古語曲解

暇人の妄言なので、受験勉強の参考にしないようにね

試験に出る 和尚

「和尚」の読みを3種類述べよ

和尚

ワ・ジョウ 呉音、法相宗  WA-ZYOU

カ・ショウ 漢音、華厳宗(たぶん、クヮ・ショウ)KWA-SYOU

オ・ショウ 唐宋音、禅宗(たぶん、ウォ・ショウ)WO-SYOU

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宗派や移入時期によって、読み方が違いますが、

W音で呉音から唐宋音まで繋がっている珍しい例(たぶん)。

呉音と漢音は、音韻上の繋がりは、あるのが普通。

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ワジョウは、和上という表記の方が一般的ですね

鑑真和上が有名

オショウは、唐宋音には珍しく、一般的になっています。

珍しいのは、カショウで、漢音でなじみがないのは例外的。

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さあ、問題です

和を「カ」と読む例を和尚以外で述べよ!

【回答例】

和氏の璧 カシノタマ、完璧の語源ですね

和氏とは、卞和(ベン・カ、人名)のことで、

カと読む場合は、おそらく大半が人名だろうなあ

 

 

 

試験に出る 行脚

行脚

今回は、まともに受験に使えますよ

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「行」の字は、小学2年生で習います

行事とか行動とかの音読みは、何年生で習うのかな

で、「行脚」の読みは? 中学受験レベルかな

「行」の音読みは3種類揃ってます

行事 ギョウ・ジ 呉音

行動 コウ・ドウ 漢音

行脚 アン・ギャ 唐宋音

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「行脚の読みはアンギャ」と知ってるだけだと、

それは、単にクイズの答えを暗記してるだけで

知識の拡張性がない

高校入試から大学入試までを見据えて「関連性」をもって

広く・深く 連想させて覚えよう

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「行」をアンと読む例

行燈(アン・ドン)、行火(アン・カ)、

行在所(アン・ザイ・ショ)、行宮(アン・グウ)

唐宋音の特徴のひとつは、

鎌倉時代以降に禅宗を受容する際に移入した読み、ということで、

禅宗用語や仏具・日用品にからむ言葉が殆ど、ということ

行燈や行火の「行」には

固定していない、可搬式、という意味合いがある

一方、行在所は、旅行中の天皇の滞在場所、という意味で

行脚と共通する「移動の最中」という語感があります

「行宮」は、行在所と同義ですが、

システムというより「建物」に重点がある言葉です

「行宮」は、訓読みでは「かり・みや」ですな

と、いうことで、「行」には、「仮の」という意味もあるわけ

行燈や行火も、「本格的な物ではないよ」ということかも知れない

行脚は、「本拠地を離れて漂泊中」ということか

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拡張1 高校入試レベル

国史元朝

マルコ・ポーロは滞在した杭州のことを「キンサイ」と呼んでいた

これはなぜ?

杭州南宋では首都であったが、

南宋では本来の首都を、北宋時代の開封であると考えており、

杭州を「行在」アンザイと呼んでいたことによる

アンザイがキンサイに訛ったわけです(本当かね)

この南宋を元が滅ぼしたわけですな

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拡張2 大学入試レベル

行在所からの連想

元朝の役所に、「行中書省」というのがあります

中央官庁の地方出先機関です

略称は「行省」、これが後に、地方区分の「省」につながっていく

じゃ、行中書省って、なんで中書省の前に「行」の字が付くのか?

元朝」ってのがミソです

元朝は、征服王朝で、金や南宋を侵略したわけですが

侵略して手に入れた新領土を統治しなければならない

そのために、遠征する将軍には、行政権も与えられた

将軍は、侵略しながら征服しながら、

その行政府(中書省)を移動させていった

だから、行・中書省なんだな

ここには、「移動する」という意味と

「仮の」という意味が入っております

 

 

 

 

 

ゴトゴト石を動かせなくすると、器物損壊?

ゴトゴト石

2024/03/13

高知市北部の山中、土佐山地区にある観光名所「ゴトゴト石」を使用できなくした大学生6人が「器物損壊罪」によって高知簡裁からそれぞれ罰金20万円の略式命令を受けた。

ゴトゴト石は崖っぷちにある重さ数トンの巨石で、ゴトゴト揺れるにもかかわらず決して落ちないことから、“願掛けスポット”として多くの受験生らが訪れていた。

同地区では過疎化が進んでおり、ゴトゴト石は貴重な観光資源だったという。

罰金刑を受けた6人は関東の大学生。

2022年11月26日朝、「絶対に落ちない石を、俺たちで落としてやろう」と東京を出発、26日の夜に現地到着後、石を揺らしたが落ちなかったため、現地調達した工具を使うなどして27日夕方まで石を落とそうとするも、道具を放置したまま帰った。

この過程で、石の向きも変わり動かせなくなったそうだ。

器物損壊罪は親告罪のため、被害者からの告訴がなければ起訴できない。

今回は住民らが告訴に向けて500人分の署名を集めた。そして昨年6月、ゴトゴト石周辺の山林を所有する神社によって高知東警察署へ刑事告訴されたという。

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最初の報道では、「ゴトゴト石を動かせなくした」ということだったので

器物損壊ではなくて「器物修繕じゃん」。そんな罪名はありません。

実行行為者どもは、本来は崖下に岩を落とそうとしていたものらしく、

本当に落ちていれば、器物損壊なんだろうけど

落ちずに、むしろ固定してしまった

「器物損壊未遂じゃん」そんな罪名はありません

で、高知地検はというと、「器物損壊の既遂」でいったわけ

ゴトゴト石の観光資源性に着目したんだろうな

動くから名物なので、動かないと名物でない

地元の神社からすれば、売り物が台無しだ!

だとすると、

ここは素直に、

神社に対する威力業務妨害偽計業務妨害じゃないの?

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判例では、窓ガラスにビラを貼り付ける行為を

器物損壊としているけど(最決昭和46年3月23日)

 

 

航空消防 ヘリで火を消せるか?

3月4月は、山火事シーズン

タバコの火の不始末が原因の一番手ですが、落雷も怖い

落雷の場合、山頂部から出火することが多く

そうなると、地上消防隊が容易に近づけない。

で、消防防災航空隊の出番なんですが



例えば、栃木防災ヘリAW139の場合、

空中消火タンク(1800リットル)が

装備されていますが、これが使えない・・・

139は機体底面と地表とのクリアランスが小さく、

タンクの装着に手間がかかるうえに

地上移動の際に腹を擦るからです

ベル412は良かったなあ・・・

で、仕方なくバケットを使う

消火用バケットの容量は、たったの600リットル

しかも満杯にすることは まず無いので

実務的には500リットル以下

一般的な水槽付消防車(タンク車)の

水槽容量は10000リットルなので比較にならない

***

山火事を覚知した消防本部から出動要請があると

まず自県防災ヘリが出動するわけですが

前述のようにバケット容量がしょぼいので

他県防災ヘリに応援を要請して、3~4機がかりで

消火活動をします

で、そのうち県庁が焦れてきて

自衛隊に応援要請をします

航空消火は、防災ヘリでは力不足なのが実情

で、チヌークさんの登場です。CH-47JA輸送ヘリコプター

空中消火バケットは最大約7600リットル

これが4機ぐらい出てくると壮観です

ついでに、UH-1Jハンターさんが出てくることも多い

(続く)

原発事故の備忘 日本を救った中国製コンクリート圧送ポンプ車に感謝

中国・三一重工社製のアーム長62Mのポンプ車が注水作業

あの原発事故の際に、中国企業が無償で提供してくださったポンプ車

注水作業で最も実効性があったのが、このポンプ車

これで、日本が救われました。この恩を忘れてはなりません

ありがとう三一重工!

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大災害があったときに、民間で最も頼りになるのが建設業界です

糸魚川大火の際には

消防ポンプ車への給水に、コンクリートミキサー車が大活躍しました

業界用語 ドクヘリ と 防災ヘリの「ドクヘリ的運用」

防災ヘリの活動のひとつに、傷病者の緊急搬送があり、

「空飛ぶ救急車」とも呼ばれます。

この場合、医師は搭乗せず

航空隊員だけで、傷病者を観察しながら搬送のみを行うわけです

***

一方、業界用語というほどではないですが

ドクターヘリ。略称は「ドクヘリ」。

ドクターカーというのもあるけど、ドクカーとは言わないな・・・

ドクヘリには、運航側では操縦士と整備士、医療側では医師と看護師の計4名が搭乗

現場で医師が応急措置をし、搬送する

防災ヘリの「ドクヘリ的運用」とは、傷病者の迎えの際に、医師・看護師が同乗することです

EC135

EC135は、一般的なドクヘリの機種。防災ヘリとどう違うのか?

防災ヘリは中型ヘリ、ドクヘリは小型ヘリが採用されていて

BK117とEC135が一般的。

どこに降着するか分からないので、降着装置はスキッドが殆ど

ギアなのはAW-A109ぐらいかな

で、テールを見てください。テールローターの代わりに換気扇みたいなものが付いています

フェネストロン®です

メインローターによるトルクを消すための装置ですね

BK117も、ドクヘリ仕様では、フェネストロンになっているようです

防災ヘリでも、AS365はフェネストロンタイプですね

BKは傷病者を搬送する際に、客室後部の観音開きのハッチを使用するため、

テールローターよりも、人間の動作に対して安全度の高いフェネストロンに換装しているのでしょうな

ヘリの後部は、極めて危険なので立ち入り禁止です

特に、テールロータータイプの場合、エンジンカット状態でも、近づいてはいけません

MD902

で、これがMD902

テールに何も無い!

というか、ノーターという装置により

トルクを打ち消しているそうです

 

 

 

 

防災ヘリ 続編 降着装置

前回で登場したヘリの降着装置は、全てギア(車輪)タイプでしたが

スキッドタイプのヘリもあります

むしろ、かつての防災ヘリの代表格、ベル412はスキッドタイプ

陸上自衛隊で使われている多用途ヘリコプター UH-1J「ハンター」も

つまりは、ベル412

鼻先がちょっと下がってるのが可愛いですね

和歌山防災

車輪ではなく、橇のような形ですね

もうひとつの、防災ヘリの代表格の

岐阜防災

BK117も、スキッドタイプ

横から見ると、オタマジャクシみたいですな

小柄ながらも万能タイプだけど、

パワー不足のため高標高の山岳救助には向かない

BKのKは、川崎重工業のKです

ちなみに、ベルには、スバル(富士重工業)がからんでいる

***

ギアタイプの弱点は、

不整形地やぬかるみへの降着や駐機ができないこと

下手すると、転倒します

その点、スキッドは強い

平成30年北海道胆振東部地震では

東北を中心に各県防災ヘリに応援要請がありましたが

ヘリの集結地は、地盤が悪く、

総務省消防庁は、スキッドタイプを中心に要請したようです

この面からも

スキッドのベル412の優位性がうかがえます